親知らずは抜くべき?
2025/10/23
■親知らずは抜くべき?放置すると起こるリスクと抜歯のメリット
皆さん、こんにちは。札幌市中央区の宮の森シュウデンタルオフィスです。
「親知らずは抜くべきですか?」というご質問は、患者様からよくいただきます。親知らずは、他の歯と比べて生え方に個人差が大きく、トラブルの原因になることも少なくありません。一見、問題がなさそうでも、実は放置することで様々なリスクを伴うケースもあります。そこで今回は、親知らずを抜いた方がよいケースや、放置によるリスク、そして抜歯によるメリットについて、わかりやすくご説明いたします。
▼抜くべき親知らずの特徴
次に挙げるような特徴を持った親知らずは、適切な時期に抜いた方が良いかもしれません。
◎斜めや横向きに生えている
親知らずが斜めや横向きに生えている場合、隣の歯に圧力をかけて歯並びを乱す原因になります。また、完全に生えきらず歯茎に埋もれたままだと、清掃が困難になり、細菌が溜まりやすくなります。この状態を「埋伏智歯(まいふくちし)」と呼び、周囲の歯や骨に悪影響を及ぼすこともあるため、抜歯が推奨されるケースです。
◎一部だけ露出している
親知らずの一部だけが歯茎から出ている場合、歯と歯茎の間に汚れが溜まりやすくなり、智歯周囲炎という炎症を起こすことがあります。繰り返し腫れたり痛んだりする場合は、症状がひどくなる前に抜歯を検討する必要があります。
◎噛み合わせに関与していない
上下の親知らずが噛み合っていない、あるいは一方だけが生えている場合、咬み合わせの機能を果たさず、むしろ咬合干渉を起こして顎の痛みや違和感の原因となることがあります。このような場合も、抜歯が望ましいとされています。
▼抜くべき親知らずを放置するリスク
抜いた方がいい親知らずを放置していると、以下に挙げるようなリスクが生じます。
◎虫歯や歯周病の原因になる
親知らずの周囲は歯ブラシが届きにくく、汚れがたまりやすい部位です。そのため、親知らず自体だけでなく、手前の大切な奥歯(第二大臼歯)まで虫歯になってしまうリスクがあります。歯周病も進行しやすく、歯茎の腫れや出血、口臭の原因にもなりかねません。
◎顎の骨や神経への影響
埋伏している親知らずが炎症を繰り返すと、顎の骨に膿がたまる嚢胞(のうほう)ができたり、下顎管に近い位置にある場合には神経を圧迫して、しびれや知覚異常が出ることもあります。これらの症状は治療が難しくなることもあり、早期の抜歯が重要です。
◎全身の健康への影響
親知らず周囲の感染が慢性化すると、まれに蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの重篤な感染症を引き起こすこともあります。炎症が広がることで、発熱や倦怠感といった全身症状を伴うことがあり、放置は非常に危険です。
▼親知らずを抜歯するメリット
問題を抱えている親知らずを抜くと、以下に挙げるメリットが得られます。
◎口腔内の清掃性が向上する
親知らずを抜くことで、口腔内の清掃がしやすくなります。特に親知らずの周囲にあった汚れや細菌の温床がなくなることで、虫歯や歯周病の予防につながります。また、手前の健康な歯を守ることにもつながります。
◎痛みや腫れのトラブルから解放される
繰り返す炎症や痛みに悩まされている患者様にとって、親知らずを抜歯することで症状が根本から改善され、快適な生活を送ることが可能になります。「急に痛くなって食事ができない」といった突然のトラブルを防ぐためにも、予防的な意味での抜歯には大きなメリットがあります。
◎将来の矯正治療への影響を防げる
お子様や若年の患者様で矯正治療を検討されている方にとって、親知らずは歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。成長期に親知らずが奥から押してくることで、整えた歯列が乱れる原因にもなるため、早めの抜歯を勧めるケースも少なくありません。
▼まとめ
親知らずは、すべて抜く必要があるわけではありませんが、放置することで虫歯や歯周病、炎症、顎の痛みなど多くのリスクが生じる可能性があります。一方で、抜歯を行うことで清掃性が向上し、トラブルの予防にもつながります。現在痛みがなくても、将来のリスクを減らすために、まずは歯科医院での診断を受けることが大切です。気になる方は、お気軽に宮の森シュウデンタルオフィスまでご相談ください。